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パーフェクト・ワールド・エンドⅡ 11-5
荻原は、そうせざるを得ない状況だったから、つがいだと公言したのだということを、知っている。だから、気にしているのだ。
そう思うと、しみじみとした感想が口をついた。
「荻原は、なんていうか、ちゃんとしてるよね」
「なに、ちゃんとって」
「いや、ふつうに、いいやつだよなと思って」
「高藤に言われたくないんだけど」
「優しいし、導火線長いし」
「だから高藤に言われたくないって」
「いつも周りのことよく見てるし」
「高藤もそうじゃん」
いなすように苦笑して、荻原が外に踏み出す。日は沈み始めていたけれど、いつもの帰る時間よりは早いくらいだった。
「俺と一緒で、役割的にしかたなくってところもあるんだろうけど」
「……まぁなぁ」
「そう考えると、わりと似てるよね、俺ら。まとめ役押し付けられて、それでそれなりにうまくできちゃって。ついでに、周囲ともそこまで軋轢なくやれて、優しくて」
自分が言ったこととほぼ同じ内容だったのだが、うん、とは言いづらい。曖昧に苦笑を返して、皓太はお茶を濁した。荻原はそのとおりだと思うが、自分はそんなにいいものではない。ことなかれ主義なだけだ。
荻原も小さく笑った。そして続ける。やるせなさそうに。
「それでも、榛名ちゃんは高藤じゃなきゃ駄目なんだよなぁ」
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