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パーフェクト・ワールド・エンドⅡ 11-7

 その指摘どおり、寮の玄関付近にいるふたりの姿が見えた。成瀬は背中しか見えなかったが、もうひとりは近づくにつれはっきりと表情が見えた。  ――本当、あいつ、祥くんの前でだけ顔違うよなぁ。  いまさらなことなのに、性懲りもなくそう感じる部分が残っているのが、自分でも少し不思議だった。足音に気がついたのか、振り返った成瀬がにこりとほほえむ。 「ふたりともおかえり」 「あ、……すみません、その、生徒会」 「いい、いい。気にしなくて」  休むも何も言っていなかったことを思い出して謝ったのだが、微塵も気にしていない調子で受け流されてしまった。 「文句言うなら、向原にしとくから」 「いや、……あぁ、はい」  やはりと言うべきなのか、完全にバレている。本当にいったいどこから情報を仕入れているのだろうか。そのことを追求する暇もなく、「じゃあね」と笑って成瀬が踵を返した。その足は門扉の外に向いている。 「中、入らないんですか?」 「うん、ちょっと忘れ物」  絶対に違う気がしたのだが、止める道理もない。そのまま校舎のほうに戻っていった後ろ姿を見送っていると、ぽつりと荻原が呟いた。 「あいかわらず自由な人だね、会長は。――榛名ちゃんは、もう会長との話はよかったの? もしかして、俺ら邪魔しちゃった?」 「大丈夫」  はっとしたように頷いた榛名が、なぜかじっと自分を凝視していることに気がついて、皓太は苦笑いで問い返した。

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