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パーフェクト・ワールド・エンドⅡ 11-8
「なに?」
もしかしなくても、荻原の言うとおり、自分がやらかしたことを聞き及んでいたのだろうか。
「あー……」
心配されているどころか、完全に嫌味だった。
「まぁ、まぁ。高藤も大変だって。話はまたあとで部屋で聞いてあげてよ」
「べつに、それは聞くけど」
「なんだ、聞いてあげる気はあったんだ。よかったね、高藤」
取り成す調子でほほえまれたが、素直に頷けないものがある。そのあいだに、ふたりはさっさと中に入っていく。溜息を呑み込んで、皓太もそのあとに続く。先を行くふたりがぽつぽつと話しているのを見ていると、変わったなぁという感慨がわいた。
――昔は、誰とも喋らないってふうだったのに。
中等部にいた三年間、ずっとそうだったのに、高等部に上がってからの数ヶ月で一気に変わったような気がする。一般的に考えて、悪いことではないはずなのだけれど。
自分たちの部屋のある階に着いたところで、榛名と話していた荻原が、にこと振り返った。
「じゃあ、よっちゃんには俺が話しとくよ。ずっと気にさせてんのも、かわいそうだし」
「いや、べつに」
個別に説明をする必要性も感じられなかったし、なによりも、面倒だと言っていたのは少し前の荻原だ。断ろうとしたのだが、「いいから、いいから」と笑顔で押し切られてしまった。おまけに、なぜか榛名もほっとしたような顔をしている。
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