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パーフェクト・ワールド・エンドⅡ 11-10

「俺は、ここがそういう場所だって思いたくないって思ってた。ひとりで出歩けないような場所じゃないって。でも、四谷も最近はちょっと怖いって言ってる。おまえはどう思う?」  一緒にやるって言ってたもんな。そのことを思い出して、皓太は苦笑をこぼした。 やはり、すべてを抱え込んでしまうことはいいことだとは思わない。少なくとも、自分は。 「そうだな。いいことではないと思うし、残念だとも思うけど。でも、現実的に、なにかがあってからじゃ遅いし、だから榛名も登下校ひとりでしなくなったんでしょ」 「……うん、まぁ、それは、そう。変に意地張ってもなって」  それはまた随分と分別のあることを言っている。榛名の本来の性格を思えば、ありすぎているくらいだ。  そうしてくれるなら、とほっとする気持ちもあるが、そうせざるをえなくなった背景を考えると、素直にほっとしきれない気持ちもあった。  たぶん、あの人たちは、そういった思いをする生徒がいなくなればいいと願っていたのではないかと思う。そして自分たちは、その恩恵を十分すぎるくらい受けてきた。 「うん。でも、またもとに戻せるようにするよ」 「もとに?」 「そう。前にも言ったかもしれないけど、俺は、あの人たちがつくったここが好きだからね。榛名にとっても、それがいいと思うし」

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