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パーフェクト・ワールド・エンドⅡ 11-12
――おまえがぜんぶコントロールする側に回れば済む話だろ。
そう、あの人はさもそれが当然だという顔で言っていた。どうするべきなのか、と聞いたときのことだ。それが正しいのか、そうでないのかは皓太にはわからない。
ただ、少なくともあの人はそうやってきたのだろうなということはわかった。
昔からそういうところのある人だったから、らしいなとは思った。自分には合わないかもしれないとも思ったけれど。
「ぜんぶコントロールしたらいいって、そんな身も蓋もない」
らしいと言えば響きは良いかもしれないが、乱暴すぎる。鬱屈とした感情を抱いたまま、とりあえず皓太はそう訴えた。
言っている人が人だし、それでうまくいくこともあるのかもしれないが、あまりにも一方的だと思ってしまったからだ。
「悠長なこと考えてるうちに後悔するタイプだな、おまえも」
それなのに、返ってきたのは、呆れを多分に含んだ総評だけだった。その「も」が誰にかかっているのかは、問うまでもない。
――本当、変わんないなぁ。
良くも悪くも、というか、なんというか。必要以上に怖がっている節のある同室者に、幾度ともなく「そんなに悪い人でも、怖い人でもないよ」と諭していたのは自分だし、実際にそう思っている。
ただ、物事の判断基準が偏っているだけで。
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