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パーフェクト・ワールド・エンドⅡ 11-20

「成瀬さん」 「なに?」 「……俺は、今のここが好きだよ。俺や榛名にとって、過ごしやすい場所だから。だから、俺はここを守るために、――成瀬さんの言うところの信頼できる仲間と協力してやっていきたいと思ってる。そう決めた」  でも、と静かに問い重ねる。 「成瀬さんは、ここをどうしたかったの?」  誰になにを言われなくても、わかっていた。自分はこの人を信用していたし、この人の言う理想は尊ばれるべきものだとも思っていた。  今もそう思っている。  でも、ここは、普通じゃない。水城の言うことも、本当はわからなくはないのだ。  それに――、この人は、オメガもアルファもベータも平等だとする世界を本当に望んでいたのだろうか。だとしたら、なんのために望んでいたのだろうか。  信用している、ということも、この人がつくった学園の土壌が尊ばれるものだと思っているということも、本当に本当だ。けれど、彼がそれを成した理由が、道義心からきたものだけだとは、もう思えなかった。  にこ、と成瀬はほほえんだ。いつもどおりの、優しげな表情で。 「どうしたいもなにも、ここにいるみんなが、少しでも楽しく学園生活を送ってくれたらいいなって、そう思ってるだけだよ」 「本当に?」 「あたりまえだろ。自分の私利私欲で学園を動かしたりなんてしない」  皓太が抱いた疑惑を払拭するように、もう一度成瀬はほほえんだ。 「ここは、みんなの学園なんだから」

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