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パーフェクト・ワールド・エンドⅢ 0-11

「水城といい、おまえといい、――あの会長様もそうか」  最後に出てきた名前に、行人は息を呑んだ。なにも言えないままじっと凝視することしかできない。その反応に、ふっと向こうが笑った。 「べつに、だからどうとも言わないけどな。あと半年なんだ。これ以上、妙な問題は起こすなよ」 「っ、……問題なんて」  まったく起こしていないとは言えないとわかっている。でも、起こしたいと思ったことはないし、特に最近は気をつけていたつもりだった。  自分を機にかけてくれている人たちに、これ以上の迷惑も心配もかけたくはなかったから。 振り絞ろうとした反論を、本尾は面倒くさそうに一蹴した。 「おまえらがいるだけで火種になってるから気をつけろって言ってるんだよ。本当に」  オメガに振り回されて喜んでいるやつの気が知れない、と吐き捨てた声は、心底うんざりとしているように行人の耳には響いた。  なにも言い返せなくて、ただこぶしを握り締める。蝉の声が遠くでしていて、そして、土を踏む足音が近づいてきた。

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