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パーフェクト・ワールド・ゼロⅣ③
「そう、中等部。俺の二個上で、会長たちと同じ学年だったんだよ。あの学年は、……昔はけっこう荒れてたから、まぁ、ちょいちょい停学とかそういうのは、あったらしいけど」
「でも、退学と停学じゃ大違いだよね」
「だろ? まぁ、実際どうだったのかは知らないけど、会長たちと揉めて追い出されたって話。本人は、今もたまに文句言ってる。しつこいんだよね。半分くらい話盛ってそうだから、聞いててこっちもげんなりするっていうか」
「へぇ」
面白くなってきて、身を乗り出す。そうして、興味津々といったふうに頷いてみせる。
「その従兄さんは、どんなことを言ってるの?」
「あぁ、ハルちゃんは、会長のこと嫌いなんだっけ。じゃあ、気が合うかもな」
そんなことはないとも、そうだとも言わず、水城はにこりとほほえんだ。好きに解釈してもらえれば、それで十分だ。
怖いもの知らずの水城のパフォーマンスを思い出しでもしたのか、苦笑じみた笑みをこぼしてから、同級生は口火を切った。
「前にもちょっとそんな噂があったけど。会長がオメガなんじゃないかっていう話」
「へぇ」
ますます楽しくなってきて、相槌を打つ声にも嬉々としたものがにじむ。それを適度に抑えながら、「そうなんだ」と感じ入ったふうに呟く。
こんな話が聞けるなんて、滞在先にここを選んだ自分の勘に間違いはなかったのだと満足しながら。
「ま、追い出したのは会長っていうより、副会長のほうみたいだけど」
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