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パーフェクト・ワールド・エンドⅢ 1-6
「あ、いや……、でも、そうですね。でも、学園の外で、ここの人と会ったことって、今までなかったので」
「そっか。うん、まぁ、もしよかったらっていうだけだから」
「はい。あの、成瀬さんは?」
「ん?」
「休みはどうだったんですか?」
「ずっと家にいたよ。皓太も来てたし、それに一応、俺も受験生だしね」
そう苦笑して、成瀬は話を変えた。
「外では遊ばないにしても、新学期始まってからは、どう? ちょっと精神的にも負担が増えてきたかなって思ってるんだけど。あいつ、部屋で苛々したりしてない?」
「あ、……ぜんぜん。してくれてもべつにいいのに。高藤、そういうの態度に出さないんで」
「出してほしいの?」
拗ねているように聞こえて、そう問い返す。皓太が態度に出さないことなんて、あたりまえのことな気もするが。
「俺が頼りないからだ、っていうのはわかるんですけど」
不満のにじんだ調子で、でも、と行人が眉を寄せた。
「俺も一緒にするって言ったのに、なんか結局頼ってもらえてないみたいで、それがちょっと腹が立つっていうか……って、すみません。愚痴ばっかり」
「愚痴くらいぜんぜん聞くけど」
むしろ聞くことができてよかった、とも思っているけれど。生徒会室をさらりと見渡してから、そういえば、と口を開く。さも今思いついた、という調子で。
「中等部のころは、行人もよく来てたのにな、生徒会」
「あ、いや……、その、あのころは今よりも本当さらに遠慮がなかったというか。今思うとすみません」
「いや、それもぜんぜんいいんだけど。また遊びに来てくれてもいいのにって思っただけで」
「え?」
きょとんとした瞳に向かって、駄目押しのように成瀬はほほえんだ。
「行人も、生徒会手伝ってみる?」
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