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パーフェクト・ワールド・エンドⅢ 1-10

「最終決めるのは茅野だから、そこに口出すつもりはないんだけど。……なに、そんな気に食わなかったの?」  寮生委員から続けざまに引き抜けば、嫌味のひとつくらいは言われるだろうなとは思っていたし、聞くべきだともわかっていたから、ここで待ってはいた。  ただ、正直、そこまで本当に嫌そうな顔をされるとは想像していなかった。口を出したことが気に食わなかったのかという質問に、茅野が軽く眉を上げた。 「おまえが口を多少出したくらいで、いまさらなんとも思わんが」 「じゃあ、人選? 四谷そんなに駄目だった? いいと思ったんだけど」 「四谷自身に問題はない」  その点は、とでもいうように、きっぱりとした否定が返ってくる。 「情緒不安定なところが目についた時期もあったが、落ち着いてきているし、周囲のこともちゃんと目に入るタイプだ。頭も悪くない。資質の意味で問題はないが、相棒が荻原というのは、ちょっと気の毒だろう?」 「なんで?」 「本気で言って……、いや、本気だったな。悪い、おまえにそういう方面の情動を期待した俺が馬鹿だった」 「期待した俺が馬鹿だったって、そこまで言う? なにか知らないけど」  呆れられたを通り越して、なんだか憐れまれた気分だ。 「案外いいバランスなんじゃないかなって思うんだけど。荻原、基本が穏やかだから、四谷が多少強く出ても問題なく受けとめるだろうし。その情緒不安定、というか、若干自信がなさそうなところも、役職を持ったら落ち着くだろうし」 「誰がそんな話をした」

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