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パーフェクト・ワールド・エンドⅢ 2-3

「休み明けてからおまえずっと機嫌悪いから。いっそ家が原因だって思いたかった。なんなんだよ、本当。休みのあいだもおまえらなんかやりとりしてたわけ? それとも新学期始まってからの十日ほどのあいだで、またなんかやったわけ?」 「そもそも、どこぞの馬鹿じゃあるまいし、いくら兄弟だからって、同性の身内にそこまで過干渉に口出すか?」  まるきり後半を無視して問い返せば、苦虫を噛んだ顔になった。論点をずらされたこともだろうが、現在進行形で過干渉に世話を焼いている人間に対して、思うところがないわけではないらしい。  本人がどこまで自覚しているのかは知らないが、あれだけあからさまであれば、あたりまえの話だろうと思う。 「まぁ、……それは、そうかもな」 「そうだろうが」 「いや、苦手なもんで、つい」  ずらした論点に合わせて、そう苦笑した篠原は、今のこの時点で聞き出すことは諦めた様子だった。そのあたりの引き際の良さはあいかわらずと言えばあいかわらずで、楽ではあった。 「最近会ってないけど、ますますパワーアップしてそうで想像するだけで嫌っつうか。あの人、おまえより格段に性質悪いのに、ぱっと見穏やかそうなのがまた嫌なんだよな。基本、おまえと同じ顔なのに」 「ほっとけ」

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