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パーフェクト・ワールド・エンドⅢ 2-5
「でも、まぁ、さっきの過干渉の話だけど」
「過干渉?」
「そう。成瀬のあれ。前まではけっこう、皓太が嫌がってただろ。それであいつも一線引き直してるところがあったっつうか。バランス取れてた気がするんだけど。なんか、最近はどうせ卒業するまでって割り切ったのか、諦めたのか、皓太がわりと成瀬の好き勝手許してるだろ」
そうなったら、そりゃ、こうなるわなって、続いた台詞に、そうかもな、と向原は頷いてみせた。そうしてから、また視線を手元へと戻す。
「どうしたんだろうな。いや、べつに、使えるもんは使うって割り切る気になったっていうなら、それはそれでぜんぜんいいんだけど。実際、そっちのほうがいいと思うし」
「まぁ、選挙に出る気があるなら、そのほうがいいかもな」
「……おまえさぁ」
「なんだよ」
「わりと選挙合戦協力してやってるよな。正直ちょっと意外だった」
「ほかに通したいやつでもいたのか?」
事務処理を淡々と進めながら、顔も上げないままそう問い返す。返ってきたのは、どこか煮え切らないものだった。
「そういうわけじゃねぇけど。なんというか、成瀬ほどとまでは言わなくても、俺も、一応、皓太が小学生のころから知ってるし。まぁ、俺も春ごろに発破かけたはかけたんだけどな。あいつ、我が強くないから、と思って、ちょっと」
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