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パーフェクト・ワールド・エンドⅢ 2-7

「まぁ、それもそうかもな」 「だろ? 本人がやりたいっていうなら、水差す気はないんだけどな。最終的に決めたのは、皓太のほうみたいだし」  そうかもな、と同じ相槌を向原は繰り返した。べつに、そのこと自体はどうでもよかったからだ。一年早く出ようが出なかろうが、それによる不利益があろうがなかろうが、どうでもいいと言えばどうでもいい。  余計な心配をしなくても、資質があればどうとでもすると思うからだ。そう割り切れず気にしている時点で、十分にこの男も過保護だとも思うが。 「だったらって、成瀬が世話してやってんのも、わからなくはないし。まぁ、それはそれとして、手ぇ出しすぎだとは思うけどな。でも、おまえはそういうのとは一線引いたと思ってたから」  だから、ちょっと意外だった、と続いた、こちらの思惑を推し量るように繰り返されたそれに、向原は先の相槌を同じように淡々と応じた。 「約束を、誠実に履行してやってんだよ」  ここでまだ折れるわけにはいかないと、馬鹿のひとつ覚えのようなことを言うから。  やたらと神妙な顔で、皓太を選挙で通してやりたいと頼むから。  つくることのできる貸しをただ増やしているだけだ。  なんとも言えない視線を寄こしていた篠原が、完全に匙を投げた調子で呟いた。 「おまえ、その言い方が怒ってなかったら、なんなんだって話すぎない?」

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