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パーフェクト・ワールド・エンドⅢ 2-8
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「このまままっすぐ行くと、めちゃくちゃ面倒なことになる気がする」
嫌な声が聞こえた、と続けて呟いた篠原が、ぴたりと足を止めて、出てきたばかりの校舎を振り返っている。
もうこれ以上はやらないと宣言して、着いて出てきたくせに、今にも戻りたいと言い出しかねない雰囲気だ。
その横顔を一瞥して、構わず歩き出す。あいかわらずの動物的な勘の良さだとは思うし、戻りたいのなら好きにすればいいとも思うが、そこに付き合う気はさらさらない。
「おまえは、どうせ、このあと寮で会うだろうが」
「だからだよ。だから、余計なところで関わり持ちたくないの」
わかるだろ、と言いながらも、結局、足音はついてきた。大方、自分にだけ水城との接点を持たせたくないのだろう。
「いい性格してるのも知ってるし、メンタル強いのも十分に思い知ってるけど。それはそれとして、あの顔に向かって、なんかいろいろ言いにくいんだよな。……いや、まぁ、そもそも、向こうがなにも言わなかったら、こっちも言う気はないんだけど」
「おまえ、それでよく皓太焚きつけたな」
「年の差」
そう言ってやると、嫌そうに篠原が首を振った。
「俺がやり合うのとは、また違うだろ。勝手なこと言ってる自覚はあるけど、いなかったら平和なのにって考えるのと、直接どうのうこうのっていうのは、また別というか」
ちょっと押したら吹っ飛びそうだし、と続いた台詞に、呆れ半分で失笑する。
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