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パーフェクト・ワールド・エンドⅢ 2-11
「轟爽希くんって言うんです」
反応を見るような顔で、にこりとほほえんで続ける。
「彼は、真面目で、こう言ってはなんですけど、そう目立つタイプではないですが、一緒にいると落ち着くので、最近はよく一緒にいるんです。クラスメイトでもあるので。――特進科なんですよ、彼も。まぁ、うちのクラスで目立ってるのは高藤くんでしょうけど」
新学期になってから、まだ始まってもないのに、選挙、選挙ですもんね、と嫌味とも取れるものをにじませてから、そう、そう、と水城が笑みを深くした。
「彼の従兄さん、先輩方と同じ学年にかつて在籍していらっしゃったそうですよ。轟実春さん。こちらはさすがにご存じでしょう」
「まぁ、なぁ」
懐かしい名前を聞いて戸惑った、といった雰囲気でこちらを見やった篠原が、面倒くさそうに口を開く。向原に応じる気がないと判断したらしい。
話聞いてやるって言ったのは誰だよ、と言いたそうな顔もしていたが、応じてやってもいいと思える目新しい話でなかったのだから、しかたがないだろう。
「中等部までは一緒だったから、さすがに存じてはいるけど」
「あちらは、先輩方のこと随分と覚えていらっしゃるみたいでしたけど。冷たいんですね、篠原先輩」
にこにことほほえむ顔を居心地悪そうに見下ろしていた篠原が、そこで小さく溜息を吐いた。
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