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パーフェクト・ワールド・エンドⅢ 3-12
「そんなに言うほど? さっきも、皓太はふつうだねって、ちょっと安心してたみたいだったけどな」
「マジか」
おざなりに流したつもりもなく、正直に感じたままを答えただけだったのに、珍獣を見るような顔をする。
「おまえ、やっぱり、すごいな。図太い」
「図太いって。皓太がそう言ってたっていう話だったんだけど」
「いや、皓太はべつにそれでいいんだけど。なんでおまえが気づかないかな」
冷静に考えれば、そこまで苛立つことではなかったはずなのに、呆れ切った言い方のせいか妙にカチンときてしまった。
――だいぶ落ち着いたつもりだったんだけどな。
感情のコントロールくらいは、なんなくできるようになっていたつもりだったのに、気をつけないといけない。
そう意識し直して、なんでもないように言い放つ。数年前ならいざ知らず、今の自分にそれを言われても手に余るというのが、正直なところでもあった。
「おまえが気づいたんなら、おまえが責任もってどうにかしたらいいだけだろ」
「したし、もう言ったわ。言って無理だったから、ここで愚痴ってんの。まぁ、あいつが俺の言うこと聞くとは思ってなかったけど」
だから、おまえにどうにかしてもらおうと思って、と続けた篠原の口ぶりは、原因の一端はおまえにあるのだろうと言わんばかりだ。
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