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パーフェクト・ワールド・エンドⅢ 3-13

「ねぇの、心当たり」 「心当たりって、なんで俺に原因がある前提なんだよ」  心当たりなんて、ありすぎてわからないくらいだ、と言う気には、さすがになれなかった。  そもそも、篠原から見て「そう」だったとしても、自分にはあの態度なのだ。妙な心配をするなと茅野は言っていたが、怒る気にもなれないくらい呆れていると解釈するほうが、やはり正しいように思える。 「なんでもなにも、おまえ以外に思い当たらないから言ってんの。なんとかしてくれ、マジで。頼むから」 「なんとかしてくれって言われても。べつに、いいんじゃない? 少なくとも、俺も皓太も当たられてないし。迷惑でもなんでもないっていうか。篠原が困るなら、篠原がなんとかすればいいだけだと思うし。俺なんかより、ずっと付き合い長いだろ」 「そりゃ、付き合いは長いけど」  なんとも言えない顔で息を吐いた篠原が、前髪をうしろにかきやる。  律義に見つけるまで探すつもりなのか、それともていよく追い出されたとわかっていて時間を潰しているのか。どちらかは知れないが、皓太が戻ってくる気配はないままだった。 「でも、それとこれとは話が別だろ」  なにがどう別なのかという話を聞きたくはなくて、そうかな、と適当に受け流す。  自分でもよくわかっていないことを、外からどうのこうのと言われたくなかったのだ。

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