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パーフェクト・ワールド・エンドⅢ 3-15
「そんな繊細にできてないだろ」
「おまえに比べたら、誰でも繊細だよ」
一緒にするなと言わんばかりのそれを笑えば、呆れたように溜息を吐かれてしまった。そうして、「でも、まぁ」と呟く。
「そっちに関しては、向原がけっこう協力してるだろ。意外なくらいって言っていいのかはわかんねぇけど」
「うん、感謝してる」
事実だったので、淡々と成瀬は同意を示した。
「だから、俺も必要以上に怒らせたいとは思ってないっていうか」
「……」
「そういう意味でも、どうにかできればな、とは思ってるんだけどな。これでも一応」
――まぁ、その「どうにか」がぜんぜんわからないわけではあるんだけど。
休暇に入る前から、あるいは、もっと以前から、向原が自分に対して思うところがあったことは事実だろうとわかる。ただ、それが、篠原の言うように目に見えて悪化しているのだとしても、トリガーがなんだったのかということまでは、わからない。
だから、努力はしてもいいが、どうなるかはわからないと言ったのだ。
「おまえ、本当性格悪いな」
「知ってる」
しみじみと評されたところで、それもまた事実でしかないので、痛くもかゆくもない。軽く笑って、話を変える。
「でも、前にも言ったけど、俺は水城を追い出す気はないよ」
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