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パーフェクト・ワールド・エンド0-3
言い切ってくれたのは、気遣いであると同時に、牽制でもあるのだろうなと理解した。これ以上、聞くなと言う。あるいは、関与するなと言う。
「校内のことは、あいつらに任せたら良い。成瀬も茅野も、十分すぎるほど頼りになる。まぁ、この寮で良かったな」
その言葉に応じるように笑う。けれど、失敗していたのかもしれない。柏木が僅かに困った顔で眉を寄せた。
「そう言った、運も引きも、大切なものだ。この学園で生きていくには」
「あの、柏木先輩。副寮長としての話って……」
「選択肢はいくつがある」
先の言葉を聞きたいような聞きたくないような心地で促した行人は、選択肢と言う言葉に首を傾げた。そんなものが残されているとは想像していなかったのだ。
「前提として言わせてもらうが、君がこの学園を自主退学するような必要はないし、櫻寮を出る必要もない」
「……」
「と、成瀬も茅野も、――まぁ、学園側もそう言うはずだ」
その言葉に、行人はゆっくりと息を呑んだ。ここに居ても良い。不要だと言われなかっただけで、奇跡だ。
「ではあるが、君の第二の性が表沙汰になった以上、今まで通りの扱いは難しい。これは、寮生委員会としての意見だ」
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