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パーフェクト・ワールド・エンドⅢ 5-5

「長峰」  校舎を出て少し歩いた先。予定どおり遭遇した相手に向かって、成瀬は愛想よくほほえんだ。 「なんの用だよ」 「なんの用って。クラスメイトに会ったら、声くらいかけるよ」  愛想を完全に無視した嫌そうな態度に、そう苦笑してみせる。べつに、これも嘘ではないし、必要以上に敵をつくるような真似もしていなかったつもりだ。水城が入ってくるまでは。  話したくもないとばかりに、こちらを一瞥して立ち止まっていた足を動かし始める。自分の横を通り過ぎようとしたタイミングで、成瀬はもう一度声をかけた。 「風紀と、なにかいい話はできた?」 「は?」 「そっち。風紀しかいないだろ。それに、最近よく本尾とも会ってるみたいだから」  その言葉に、数歩進んだところで長峰が振り返った。溜まった苛立ちを抑え込むように溜息を吐いてから、問いかけてくる。 「おまえ、俺がなんでそうしてると思ってんだ?」 「そうしてるって、風紀とつるもうとしてるかってこと?」  理由なんて、いくらでも思い当たるところはあるけれど。まぁ、強いて言うなら、これだろうなというものを成瀬は上げた。 「俺と茅野がしたことが気に入らないからだろ?」

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