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パーフェクト・ワールド・エンドⅢ 5-8
「しかたないだろ」
半ば自分自身に言い聞かせている言い方なのに、残りの半分は本当にそう思っているような雰囲気であることが、やはりよくわからなかった。
「つがいになんてできないんだ。それなのに勝手なこと言えないだろ。あの子も、ちゃんとわかってる」
自分ではこの学園に通うアルファのつがいにはなれないと、そうわきまえていると言わんばかりの台詞に、「へぇ」と揶揄するように笑う。
アルファの上からの理論にはいいかげん慣れていたつもりだが、明確に少し腹が立ったのだ。そもそもどうして、選ぶ権限もすべて自分にあると思っているのか。とは言え、その思考回路自体はよくよくわかりはするのだが。
そういうふうにできているのだ。アルファという生き物のほとんどは。
「本当に好きなら、べつにできないなんてことはないと思うけど」
「……おまえも、おまえに懐いてたオメガ、つがいにしなかっただろうが。それと一緒だ」
「行人のこと?」
一緒にされたくはないな、と思いながらも、苦笑いを返す。
「それだったら、皓太に任せるほうが適任だって判断しただけだけど」
「適任?」
「そう、適任。行人は皓太のことが好きだし、皓太もそうだ。だったら、そうするのが自然だろ。俺の出る幕じゃない」
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