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パーフェクト・ワールド・エンド0-5
「そう、ですね」
「つまり、君はある意味でずっと高藤と言う存在に保護されていたわけだ」
分かってはいても言葉にされると、認めたくはない。その感情がもろに出ていたのか、宥めるように柏木がそっと笑った。
「不本意であることは分かるが、そう言う風に出来ている、この学園は。……ひいて言えば、この世界も、だな」
「……世界」
「アルファに守られることで、得られる平穏と言うものもある。一人部屋に移るか、今まで通り、二人部屋で過ごすか。と言うのが、最初に言った選択肢なわけだが」
「なんだか、誘導されているような気がするんですが」
視線を落としたまま、呟く。たぶん、一人部屋より今まで通りの方が「安全」なのだろう、恐らく自分が。彼らからしても、管理が楽なのだろうとも思う。
「今すぐにつがいになれとは誰も言わないし、すぐに決めることなんてできないだろう。これからの人生を決める選択だ」
そうだ。つがいは一度契約を結べば、簡単に解消することはできない契約だ。そんなものを、自分の身を守るためと言う理由だけで、結べるはずがない。
「けれど、この学園に居る間、自分自身の身を守るために。余計な混乱に巻き込まれないために、パートナーをつくると言う選択肢もあると思う」
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