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パーフェクト・ワールド・エンド1-1
[1]
「朝から取り巻き引き連れて御大層だな、会長」
「おまえじゃあるまいし、引き連れてってほどでもないだろう。茅野だけだ」
揶揄した通りだ。まだ一限目も始まっていない時間にも関わらず、風紀委員会室には、本尾を始め数人の風紀委員の姿があった。にこりと似非臭く微笑んでやった先で、本尾が鼻を鳴らした。
「向原がいなくなったら、次は茅野か。さすがだな」
その台詞に、茅野の視線が一瞬、こちらを向いた。それになんでもないと首を振る。ついでに任せたとばかりに前を譲ると、不承不承の顔で茅野が一歩進み出る。
「朝早くから悪いな、本尾。こちらも一応、櫻寮として確認したいことがあってな」
「櫻寮として? 風紀にか」
「まぁ、そうだな。櫻寮の寮長として。ついでに寮生委員会の会長としても、か。第二の性の話だと思えば妥当だろう」
「第二の性、ね」
含みのある言い方で、本尾が笑う。
「昨日の榛名のことなら、校内の風紀を守るために隔離してやっただけだ。それを無理やり連れだして目立たせたのは、そこの会長様だぞ」
「隔離と言っても、隔離した相手がアルファだったら、何の意味もないだろう」
「校内で、オメガがフェロモンを振りまいて、無作為に大多数を惑わす方がよっぽど危険だと思うが?」
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