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パーフェクト・ワールド・エンド1-2

 輪姦されなかっただけ運が良かったんじゃないのか、と。跳ね除けた本尾に同調するように失笑が起こる。 「俺が行かなかったら、そうなっていても何らおかしくない雰囲気だったけどな。隔離してくれていたらしい風紀も」  あくまで静かに指摘した成瀬に、本尾が嘆息する。 「だから。親切心だったって言ってんだろうが。おまえがどう思おうが、実際にはそうなってなかったんだ」 「あの段階では、だろ?」  笑ってやれば、本尾がゆっくりと立ち上がった。相変わらずの沸点の低さだ。張りつめかけた空気を解くようにして、茅野が首を振る。その顔には面倒くさいと張り付いていたが、最後まで付き合ってくれる気はあるらしい。 「まぁ、待て、待て。事実がどうか第三者に分からない水掛け論ほど馬鹿馬鹿しいものはないだろう」 「その水掛け論を持ち出したのはおまえらだろうが」 「だから、これから、もし構内でそう言ったことがあった場合の取り決めをしようと言っているんだ。合理的な話だろう」 「合理的ねぇ」  胡乱に繰り返して、本尾が椅子に座り直す。 「随分、櫻寮に都合の良い取り決めが出てきそうだけどな」

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