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パーフェクト・ワールド・エンドⅢ 6-9
「向原さんたちが、成瀬さんが俺に付きっ切りなの、あんまりよく思ってないのは知ってるんだけど」
「あのな」
回りくどい言い方に、呆れを隠さないまま、言い諭すように告げる。
べつに、そんなことを考えていたわけではない。こう言っているだけで、皓太本人もわかっているだろうが。
「俺も篠原も、おまえに文句があるわけじゃない。知ってるだろ」
「……でも」
「おまえも付きっ切りなことも含めてな」
言って寄こした台詞と同じものを選んで返すと、ほんの少しバツの悪そうな調子で苦笑いを浮かべる。
「なら、いいんですけど」
「あいかわらずの貧乏くじだとは思ってたけどな」
それだけだと言えば、また少し困った顔で小さく笑う。そうして言葉に悩むような調子で、話し始めた。
「貧乏くじとまで思ってないですけど。乗りかかった舟というか、……多少の責任は感じたというか」
それこそおまえが感じる必要はいっさいないものだろうと思ったが、そうは言わなかった。こちらが反応を示せば、いろいろと話してくるのだろうともわかっていたが、あえて共有したいとも思わなかったのだ。
とくになにも言わないでいると、変わらない調子で、「あとは、まぁ」と皓太が続けた。
「俺だったら、成瀬さん怒らないから。ちょうどいいかなと思ってやってたところはあるけど」
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