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パーフェクト・ワールド・エンド1-7
「あまり聞きたくはないんだが」
その台詞を聞くのも何度目だろうなぁと思いながら、苦笑いで先に答える。さすがに、気を使わせたまま全部を言わせるのは申し訳ない。そのくらいを気遣う余裕はまだ残っているらしい。安堵すれば良いのか、呆れれば良いのか、どちらが正解なのだろうなと思いながら。
校内は、まだ人はほとんどいなかった。
「風紀に行くって言っても、付いてこないだろうなって思って。だから、面倒な役割を押し付けて悪かったけど、助かった」
自分を保てていることに、アルファの生徒会長の仮面を被れていることに安堵すべきだと言うことは分かっているし、正しい。
けれど、あの男だったら。仮面を被ることの歪さを、ずっと隣で眺めていたあの男だったら、ここに来て、まだ取り縋っていることを呆れる態度が正しいと言うのではないかと思った。
もう、関係のない話ではあるけれど。
「それは、……まぁ、面倒ではあったが、構わん。寮生委員会の方でも調整はせんとならんが、この学園の中で、ウチの寮生が一人でも不安を抱える場所を残すわけにもいかんからな」
「茅野のおかげで、ウチは平和だな」
「――おまえたちも変わらず並んでいてくれると、より平和だとは思うんだがな」
諦めを含んだそれに、そうだな、とただ口にする。よりあからさまな溜息を聞かされたが、どうにもなりようがないのだから、仕方がない。
どうにもならないところまで追いやったのは、自分だ。ボタンの掛け違いが最初に起こったのがいつかは分からない。けれど、決定的な最後の一手を押したのが自分であったことは疑いようがない。
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