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パーフェクト・ワールド・エンドⅢ 8-1

[8] 「あのさ、本当に生徒会手伝うの?」  その尋ね方が、なんというか、口を出したら不機嫌になられそうだから極力聞きたくはなかったのだけど、気になってしかたがなかったので、悩んだ末に口にしましたと言わんばかりだったので、行人は思わずまじまじと同室者の顔を見つめ返してしまった。  消灯までにはまだゆとりのある時間の夜の寮室で、こちらが課題にひと段落着いたタイミングでの声かけ。腹が立つほどに完璧なタイミングである。マイナスがあるとすれば、そのやたらと整った感じにイラッときた、くらいのものだ。  ――だったら、最初に言ったときに言えばいいのに。  新学期に入って早々、成瀬から「生徒会、手伝ってみる?」と思いがけない提案をもらった夜、行人は、なんでそんな話になったのかという経緯は大幅に端折ったものの、一応高藤に伝えたのだ。おまけに一ヶ月近く前の話である。そのときは、よくわからない顔で「へぇ」、「うん」、「そうなんだ」と言っていたくせに、と思い返したところで、行人はあれと気がついた。これ、一度も肯定されてないなということに。 「……え、嫌なわけ?」 「いや、嫌とか、榛名には務まらないとか役不足だって思ってるわけじゃ本当にないんだけど」  その、と煮えきらない態度で高藤が眉を下げる。 「生徒会に今入るとさ、つくらなくてもいい敵が増えるんじゃないかなって。それに、榛名、目立つのあんま好きじゃないと思うし。なにも好き好んで渦中に入らなくてもいいんじゃないかな、というか」 「……」 「だから、なんというか、成瀬さんに頼まれたっていうだけで即断するのは、やめたほうがいいんじゃないかなと」

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