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パーフェクト・ワールド・エンドⅢ 8-4

 あまりと言えばあまりの言いように、はは、と乾いた笑いがこぼれてしまった。  この半年ほどで交流が増えた自分と違い、四谷と荻原はなんだかんだと中等部のころから仲が良いので、気安さから派生するじゃれ合いのようなものなのだろうが。 「まぁ、俺は、榛名が生徒会に入るのはいいと思うけどね。もちろん、高藤に余計な心労を与えず役に立つっていう前提での話だけど」 「……善処する」  文句を言っていたときの勢いが消えうせた返答に、からかうように四谷が目を細める。 「なんていうか、生徒会って、とんでもない人たちの集まりじゃん。ついてくだけでも大変だとは思うよ? おまけに少数精鋭って噂だし。知ってる? 入りたいっていう人はいくらでもいるけど、なかなか首を縦に振ってもらえないんだって。会長に」 「え? 成瀬さんに?」 「そう、そう。榛名の大好きな成瀬会長に。あの人もぱっと見、癖がないけど、なかなか曲者だよね。まぁ、この学園のトップを張ってる人だって思えば、そんなものなんだろうけど」  だから、とぶらぶらと足を揺らしながら、四谷が続けた。 「そんな人が、なんの考えもなしに『手伝う?』なんて言うわけないんだろうし。会長に限って、高藤に不利になることも選ばないだろうし。榛名はやれることやったらいいんじゃない?」

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