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パーフェクト・ワールド・エンドⅢ 8ー13
「あのさ」
「なに」
「なにっていうか、脅すわけじゃないけど、今、生徒会かなり空気悪いっていうか、……その、向原さん……、うん、いや、なんでも、ない」
またしても気になる濁され方をされてしまったわけだが、その名前を出せば自分が二の足を踏むとでも思っているのだろうか。
事実、苦手だ。認めたくはないが怖いし、できることなら関わりたくないなぁと思ってもいる。だが、しかし。
「なんでもないならいいよな。もう決めたから」
そう切り捨てた行人に、高藤はなにかまた言いたそうな顔をしたが、結局なにも言わなかった。
――だから言えばいいのに。
言いたいことがあるなら、はっきりと。呆れと苛立ちを通り越して、半ば白けた気分で、行人は乱雑に片づけを終えた。そのまま出て行こうとしたところで、「どこ行くの」という声がかかった。
そんなどうでもいいことは尋ねるのか、と通り過ぎたはずの苛立ちを増やしながら、「成瀬さんのところ」と答える。
「決めたなら、早く言ったほうがいいと思って。せっかくなら早く始めたいし」
「あ、……うん。そう」
いってらっしゃい、と続いた台詞の裏側には、好きにしたら、という本音がありありと透けて見えていた。
なんだか、ちょっと、やっぱり腹が立ってきた。こうなったらある程度は好きにしてやろう。そう決めて、行人は思いきりよく自室の扉を閉めて、外に出た。
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