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パーフェクト・ワールド・エンドⅢ 9ー2
おかしいでしょ、と、いかにも不本意そうに言うので、着いて行かないで心配するより、実際を見たほうが安心すると思って、と返せば、いっそう不本意な顔をされてしまった。
これは確実に、行人の頼みを断らなかったことを根に持っている。
「行人、たしかに俺のとこに来たときは、半分勢いって感じだったけど、ちゃんと考えて決めたと思うぞ?」
「……それも、まぁ、そうなんだけど」
「ん?」
「あの、このあいだ、呉宮先輩来てたでしょ」
「あぁ、皓太が気にするようなことはなにも言ってなかったよ。あの子自身が決めたことである以上、結果がどうなろうと、それは受け入れるべきことだと思うし」
「いや、それも、まぁ、本当にそうだとは思うんだけど」
歯切れの悪い調子で繰り返した皓太が、そのあとさ、と窺うように言う。
「向原さん来なかった? 俺、ちょっと、余計なこと言った気がして、気になってたんだけど……」
「あぁ」
そんなことかとばかりに、成瀬は笑って首を振った。
「気にしなくていいよ、大丈夫」
「でも」
「むしろ、余計なこと気にかけさせてごめんな。こっちは問題ないから、行人のこと気にかけてやって。張り切ってくれるのはうれしいけど、あんまり飛ばしすぎると途中でしんどくなるかもしれないし」
まぁ、篠原なら大丈夫だと思うけど、と言い添えて、もう一度ほほえむ。
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