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パーフェクト・ワールド・エンドⅢ 9ー8

 ただ、それでも、どういう状況で揺れやすいのかということは、一応、理解している。べつに、アルファとふたりで話すことに問題があるわけではない。その証拠に、今、特になにも変わりはない。慢性的な調子の悪さがあるだけだ。だから。  ――そもそも、強すぎるんだよ、あいつ。  直に浴びるこちらの身にもなれと思ったところで、八つ当たりでしかないのだが、そう思ってしまうし、普段は意図して抑えているのだと思い知らされたようで、腹も立つ。  どちらも自分の勝手だということもわかっているのだが、それ以外にどう評せばいいのかがわからない。  ……まぁ、結局、それも、認められないってこと、なんだろうけど。 「そうか」 「うん」  そう頷いてみせてから、でも、と成瀬は呟いた。言うつもりのなかったことだ。 「でも、なんだ?」  問い返されて、曖昧に苦笑する。  なんでもないで終わらせてもよかったのかもしれないし、適当にらしいことを言ってもよかったのかもしれない。けれど、なぜかそのいずれをも選べなかった。ぽつりとひとりごちる。

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