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パーフェクト・ワールド・エンドⅢ 10ー9

 ――そう思うと、篠原先輩の「誰でもできる」も、めちゃくちゃハードル高い気がしてきたな。  総合値のやたらと高い先輩基準の「誰でもできる」なのだとしたら。だが、まぁ、しかし、やると決めた以上は足を引っ張らないように努力するしかない。  ……あと、そのせいで、勉強の成績落とすってことも、絶対ないようにしないと。  高藤に、ほら見たことかという顔をされる予感しかしない。午後からの授業は寝ないようにおのれに言い聞かせていると、「そういえば」と四谷が再び話を振ってきた。 「知ってる? 水城の話」 「水城の話?」  これも交友関係の差というやつなのかもしれないが、四谷は昔からいろいろなことを知っている。  噂話なんてくだらないという気持ちは今もあるものの、そういったものの中に重要なことが紛れていることもわかるようになった。  そうして、四谷が話してくれるもののほとんどは、自分か、あるいは高藤にとって有益と判断したものだと気がついたので、最近の行人は、ありがたく耳を傾けるようにしていた。 「なんか、前と違って、けっこう最近はひとりで行動してることが多いんだって。べつに、それは、俺はどうでもいいんだけどさ。ちょっとやばい感じらしいよ」 「やばい感じ? ……え、なに。また、なんかやってんの?」  一学期中にあったもろもろを思い返して、思わず顔をしかめた行人に、うーん、と微妙な表情で四谷が首をひねった。

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