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パーフェクト・ワールド・エンドⅢ 11ー2
「……です、かね」
「うん。俺はそう思うけど。まぁ、話してもすっきりしなくて、まだ不安だったら、もう一回相談に来たらいいよ。そのときは、いくらでも聞くから」
逃げ道を絶ちすぎないようにそう言って、ただ、と、ほんの少し困ったふうに続ける。
「皓太もちょっと選挙のことで悩んでるみたいだったから、行人が相談するついでに、皓太の悩みも聞き出してくれたらうれしいなとは思ってる」
「悩んで……」
「そう、そう。まぁ、あいつ、相談するの下手……というか、あんまり慣れてないから、なんでもない、とか、大丈夫、とか言うかもしれないけど。よかったら根気よく聞いてやって」
本当に似なくていいところを似させてしまったな、とは本当に思っている。
行人のほうがうまくできると思うから、と続けると、悩むような間を置いて、けれど、しっかりと行人は頷いた。
「はい」
「うん」
「がんばってみます」
「じゃあ、お願い。それと、もうひとつ。行人が残るって言ったの、皓太、気にしてたみたいだから。これ以上遅くならないうちに戻ってやって」
わかりました、ともう一度頷いた行人が生徒会室を出て行くなり、篠原が嫌そうに呟いた。
在室している状態で話していたわけなので、聞かれていても問題はなにもないのだが、思いきり聞いていたらしい。
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