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パーフェクト・ワールド・エンドⅢ 11ー4

 派手にやっている。言われるまでもなく、知ってはいたことだ。苦笑ひとつで、そうだな、と頷く。  行人が言っていた件については、かたちだけはしっかりと通しておいたほうがいいだろうな、と考えながら。  第二の性に関することでなにか揉めるようなことがあったとき、寮生委員会と風紀委員会とで共有し対策を取ると言い出したのはこちら側だ。  ――まぁ、あの子に限って、「ない」とは思うけどな。  それはそうとして、一番先に「心配」が来るあたり、行人も人間ができている。そういうところが、きっと幼馴染みは好ましくて、だから、ここに引き込みたくないのだろう。 「おまえ、いつも適当なところで止めてたろ。どう見ても、止めるライン越えてる」 「まぁ」  なんで毎回俺に言うんだ、と思う半面、ある一点においては同意していたので、思っていたことをぽつりと呟く。 「やり過ぎてるよな」  お互い表沙汰にする気がないから、なにも表面化していないというだけで。らしくないことをしているな、とも思う。 「……おまえも知ってるだろうけど」  嫌そうに、というよりは、どこか篠原自身も扱いかねている雰囲気に、ちら、と視線を向ける。珍しかったからだ。

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