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パーフェクト・ワールド・エンドⅢ 12ー2

 生徒会を手伝いたいのは、高藤の手助けになれたらいいなと思ったからだ。自分にしては似合わないくらいの献身的な理由だと思うけれど、生徒会に入りたい理由として、本当にそれだけでいいのだろうか。  成瀬を見ていたら、わかる。生徒会は、この学園の生徒たちのことをちゃんと考えて、生徒たちのためにとっての良い学園をつくり、守ってくれている。  じゃあ、自分は、その生徒会に入って、この学園のために、なにをしたいと思うことができるのだろうか。  そのあたりのことを示せないうちは、なにを言っても、ただのわがままになってしまうのかもしれない。  ――高藤は、成瀬さんたちがつくったここを守りたいって言ってたけど。  本当に一個人の意見として表明してもいいのであれば、そうであってほしいと行人は思っている。成瀬がつくってくれた学園の基盤で、そうして、自分が安心して過ごすことのできる大前提だからだ。  ――でも、それって、あくまで、俺がオメガだから、なんだよな。  卑下するわけでも、特別ぶるわけでもないけれど、事実として、オメガは少数派だ。  その少数派の意見は、どこまで尊重されるべきものなのだろう。実際に、似た恩恵を得ているベータは享受しているが、一部のアルファはずっと反発をしている。

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