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パーフェクト・ワールド・エンドⅢ 12ー11
「……」
なにそれ、気持ち悪、とは言われなかったものの、似たような顔をしていたので、似たようなことを思っているに違いない。
自分でも、我ながら似合わないことを言っているなぁ、と思っているので、否はないのだが。
「だから、そうじゃなくて。生徒会に入ったあとに、周りになに言われても、大丈夫って思えるような覚悟があるかどうかって話だったのかなって、ちょっと考え直したっていうか」
あのときは、うまく言語化できないまま、有耶無耶に強硬手段に出てしまって、それもまずい手だったと反省もしているのだ。
「えっと、考え直したって……?」
「その、成瀬さんたちは、自分の決断の責任は自分で当然取ってると思うし、高藤もそうしていくつもりなんだよな。それなのに、なんていうか、俺、『おまえの役に立ちたいから』とか、『手伝う』とか、あんまり、自分を主体にした責任の取り方を考えなかったなって」
そういうのって、よくよく考えると、ちょっとずるいなって、とは、余計なフォローをされてしまいそうだったので言わなかったが。言葉にするにつれ、そういうことなんだよなとずしりときてしまった。
けれど、それは持っていないといけない重みなのだ。そう言い聞かせて、だから、と行人は言葉を続ける。
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