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パーフェクト・ワールド・エンドⅢ 12ー14
「俺もだけど、あの人たちは、もっときれいに割り切ってる。榛名からしたら、冷たいって感じるんじゃないかっていうくらい。そう見せているか、見せていないかっていうだけで」
「冷たいとは思わないけど」
本当に、そんなふうにまでは思わないけれど。戸惑いながらも、行人はそう言った。
そもそも、そうでなければ上になんて立てないのだろうなと想像することはできるし、それを冷たいと思うほど子どもではないつもりだ。
なんだか話が逸れてきているような気はするが、とにかく、そういうつもりだ。
「同じようにはできないとは思うし、あれだけど。でも、その、俺なりに、ちゃんと意味を持ってがんばりたいとは思ってるというか……」
「うん、だから。それでもやるって言うなら、俺が止めることじゃないし、やったらいいんじゃない?」
「……え?」
「いや、だって、榛名が言ったとおりで、止めるも止めないも、その権限持ってるの、成瀬さんだしね」
若干、放り投げられた気分だったのだが、そんなつもりはなかったのか、高藤の声は妙な含みもなくあっさりとしていた。
真意を探るようにじっと見つめていると、もちろん、と苦笑半分といった調子の言葉が続く。
「俺が通っても、やめろとは言わないけど。無理はしないでほしいけど……って、通る前から、する話でもないか、これは」
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