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パーフェクト・ワールド・エンドⅢ 14ー15
それに、と淡々と茅野が言う。
「気に入っている人間の肩を持つのは、ごく自然の選択だろう」
それはそうかもしれないと素直に納得して、行人は小さく笑った。同じ調子で軽く笑って、茅野は続けた。
「今を不条理だなんだと言うだけならまだしも、先頭に立ってぶち壊していこうとする馬鹿を何年も近くで見てると、どうにもな。まぁ、絆されたんだろうな、俺も。向原も似たようなことを言うと思うが」
「向原先輩も、ですか」
「直接聞いたわけでもないから、推測だけどな。推測ついでに言うと、篠原は向原の態度に感化されたんだと思うが。あのふたりは、なんだかんだと仲が良いし、付き合いが古いから」
「え?」
「なんだ、知らなかったのか? あのふたり、ここに入ってくる前から、というか、同じ小学校の出だからな。本尾も含めて、幼馴染みみたいなものだろう。――幼馴染みと聞いて、成瀬と高藤を連想すると、違和感はあるかもしれないが」
どちらかと言うと、俺たちくらいの年で、あれだけベタベタと仲が良いままのほうが特殊だろう、と。
それも、まぁ、たしかにそうかもしれないなと納得せざるを得ないことを言われてしまって、曖昧に頷く。
――そう言われると仲良い……のかな?
本尾先輩はよくわからないけど、篠原先輩と向原先輩はそうなのかな。最近の生徒会室の雰囲気を思うと、ちょっとやっぱりよくわからないけど。
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