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パーフェクト・ワールド・エンドⅢ 14ー17

「終わったなら、戻るか。遅くなると、さすがに篠原が気を揉みそうだからな」 「すみません、本当にありがとうございました」 「気にするな」  本当になにも気にしていないふうに請け負ってもらった上に、プリントの束もそのまま半分持ってもらってしまった。  生徒会室まで着いてきてくれるらしい。 「あの……」 「あぁ、俺も生徒会に行く用事があるんだ」  そのついでだとあっさり明かされて、それなら、と行人は少しほっとした。 「どうだ? 選挙のほうは。榛名は本格的に手伝うのははじめてだろう」  窓の外、校門付近でビラを配っている生徒の姿が目に入ったらしい。そう問われて、頷く。自分もこれが終わったら、合流するつもりだ。 「あ、はい。最初は恥ずかしかったんですけど、今はちょっと慣れました」 「そうか。がんばると言っていたが、本当にがんばっているみたいだな」 「ありがとうございます」  実際は、まだぜんぜん足りていないとわかっている。でも、向いていない積極的な活動をがんばって行っていることは事実のつもりだ。はにかみながら、行人はもう一度頷いた。  ――中等部のときは、手伝おうなんて考えも浮かばなかったしな。  中等部にいたときも、高藤は生徒会長をしていたけれど、最高学年に上がる前の順当な推されての出馬、というやつだったので、がんばるもなにもなかったのだ。  もっとはっきりと認めると、他人事として、「まぁ、がんばれよ」くらいにしか思っていなかった。  そう思うと、高藤との関係も含めて、自分はたしかに変わったのかもしれない。  その行人を見て、ふっと茅野が目を細めた。 「高藤もだが、おまえも随分とまっとうだな。安心するよ。この学園の未来は明るい」

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