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パーフェクト・ワールド・エンドⅢ 15ー2
「へぇ、行人が」
「うん。荻原がだいぶカバーしてくれてる気はするんだけど。でも、本当、いろいろ考えてくれてるみたいで、びっくりしたけど、助かってるかな」
「よかったな」
ひさしぶりに見たような気がする年相応な顔に、成瀬もほほえんだ。自分でやると言ったこととは言え、抱え込みすぎていないか、心配していたのだ。
「まぁ、することいっぱあるけど。ほら、前に、成瀬さん、ちゃんと仲間はつくったほうがいい、みたいなこと言ってくれてたでしょ」
「あぁ、言ったな。休みに入る前だろ」
「そう。そのときも、それはそうだなとは思ってたんだけど。なんていうか、榛名だけじゃないけど、実際に手伝ってもらうとありがたみが増すなと思って」
「そっか」
それならよかったな、ともう一度繰り返す。
「ほっとした」
本心だった。同じ寮の一年生全員が同じ気持ちでやっているわけではもちろんないだろうが、それでも、協力してくれる寮生がいるとはっきりわかるだけで、心強くはあるだろう。
談話室のほうから聞こえた少し大きくなった声に、ほら、と成瀬は背を押した。
「皓太も行ってきな。待ってくれてるんじゃない?」
「そうするけど。……あの」
「ん?」
「向原さん、大丈夫? その、左手。けっこう大きい傷テープ貼ってたけど」
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