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パーフェクト・ワールド・エンドⅢ 15ー5
榛名みたいな驚き方はしてくれるなよ、と苦笑されて、思わずむっと眉間が寄る。
「このあいだ、様子見に行ってくれたのは助かったけど、必要以上に行人のこと怖がらせただろ」
「あいかわらず人聞きの悪いやつだな。榛名からなにか聞いたのか?」
「根掘り葉掘り聞くつもりはなかったし、聞いてないけど、『茅野さんがちょっと……』って言葉濁してたから」
想像がつくと言えば、また少し茅野が笑った。その視線が階段のほうに動く。
「最近は、随分と楽しそうにしているだろう。それ自体は俺も歓迎してはいるんだが、そういうときほど危機感が薄くなりやすいからな」
「それは、まぁ、そうだろうけど」
「べつに、おまえに甘やかすなと言ってるわけじゃない。締めるところは俺が締めるというだけだから、そのまま好きにしろ」
うちの寮生の問題だからな、とあっけらかんと請け負うので、しかたなく成瀬は表情をゆるめた。
「見てきたわけじゃないけど、一年生の談話室から、けっこう声が聞こえてて」
「あぁ、なかなか和気あいあいとやっているだろう。それなりに順調らしいぞ」
「うん。なんか、参加してる子は楽しそうで、ちょっと和んだ」
そう笑って、続ける。
「ほら、あの子たち入ってきたから、あんまり落ち着いてなかっただろ、ここ」
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