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パーフェクト・ワールド・エンドⅢ 16ー13
「うん。だから、……俺のせいで、参加できなくなってるんだったら悪いなって。ちょっと」
もごもごと告白した行人を見下ろしていた荻原が、ふっとほほえんだ。
「じゃあ、行ってみようか」
「え」
「嫌がられるかもしれないけど、今だったら、まだ少しは参加できるし」
「でも……」
それこそ、本当に嫌がられるだけではないのだろうか。尻込みをした行人に、ほら、と荻原が朝比奈のほうを見やる。
「ひなちゃんも、説得すること自体を止めはしなかったんでしょ。もちろん、教室で話してるときに、タイミング見て誘ってあげるだけでもいいと思うけどね」
最終決定を任せられるかたちになって、行人は視線を落とした。こういうことは、本当に苦手だ。なにが正解なのかが、本当にわからない。
――でも、そういや、気まずくて嫌だったけど、荻原の部屋にも行ったんだっけ。
ゴールデンウイークのころだ。その少し前に食堂で嫌な態度を取ってしまって、気まずいなぁと勝手に思って、けれど、思うだけで放置していたころのこと。
その行人の心情を知ってか知らずか、――まぁ、きっと、知っていたのだろうけれど、成瀬に背を押してもらって、部屋に呼びに行ったのだ。
誘っても断られるかもしれないし、と躊躇した自分に、断る断らないは相手の自由だけど、自分だけ声をかけられていなかったことをあとから知ったら寂しいんじゃないかな、と。いかにもあの人らしい優しい言葉で。
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