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パーフェクト・ワールド・エンドⅢ 17ー9
「まぁ、そういうことだな。なにごとも予防しておいて損はないだろう」
「でも、行き来のあいだだけの問題なら、わざわざ念押しして言う必要なかっただろ。行きも帰りもクラスの子より、皓太とのほうが時間が合う」
朝は基本的に一緒に行っているのは知っているし、帰りも――とくに行人が生徒会を手伝うようになってからは、基本的には合わせてやるようにしていたつもりだ。
「べつに、責めてるわけじゃないけど」
困らせるつもりもなかったので、冗談めかせて成瀬は笑った。
「俺にはもうちょっと考えてやれって言ってなかった?」
「身の安全か心の葛藤か。どちらかを選べと言われると難しい話だな」
管理する側の人間としては前者を取らざるを得ない、という結論に着地するにちがいない。「だから、べつにいいって」となんでもないふうに繰り返す。
「ちょっと確認したかっただけ。俺も同じことしたと思うし」
おまえと同じくくりにするな、と言いたげな顔で黙っていた茅野が、小さく溜息を吐いた。
「もめごとの種をつくったのだとすれば、そこは悪かったと素直に認めるが。……だが、少し腑に落ちないな」
「腑に落ちない?」
「反応が過剰すぎないか。俺の知らないところでの諸々が募った結果だと言われたら、見極めが甘かったとしか言いようがないんだが。その前の向原との一件しかり、どうもな」
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