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パーフェクト・ワールド・エンドⅢ 17ー17

 ――皓太とも話したし。行人のことは気にはなるけど、そこは、まぁ、皓太もフォローするだろうし。  皓太でなければ、荻原が。行人のことを気にかけてくれている相手がいることは知っている。  篠原が言うように、対人関係にもめごとはつきもので、そういう意味で「これも経験」ということもわかる。  いじめや仲間外れに発展すれば、のんきに経験とは言っていられないだろうが、今もひとりでいるわけでもない。  ――でも、たぶん、だけど。はじめから最後までひとりでいるのと、親しくなったあとに距離ができてひとりになるのとでは、感じ方がぜんぜん違うんだろうな。  前者の世界だけで生きていれば、寂しいなんて思うことはなかったはずだ。あるいは、自分もそのままでいれば、もっと楽に今を迎えることができていたのだろうか。  誰に気を許すこともなく、誰と親しくなることもなく、例外なくアルファは嫌な人間だと決めつけたままでいれば。  こんなふうに悩むことも、きっとなかったのに。 「おつかれ」  いつもの笑みを張りつけて、中庭に出てきた人物を成瀬は出迎えた。

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