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パーフェクト・ワールド・エンドⅢ 17ー23
そんな簡単なことではないだろうと思うのに、どこまでもあっさりとしているから、腹立たしいもなにもかも通り越して、笑えてきてしまった。
「そうなのかもな」
本当に、いったいなんだというのだろう。本心でそういうふうに思うことのできる自分だったらよかったのに、とも思っている。
――でも、向原は、そうなんだよな。
実際がどうであろうとも、自分がどう思っていようとも、向原にとっては、そうであるらしい。そのことに、なぜか、ほっとした。
この学園に入って、六年近い時間をかけて、築いた関係があって、その上で、そう断言してくれる相手がいる。
その事実が、急にすとんと胸の真ん中に入ってきた気がしたのだ。
向原は向原だ。それで、自分たちの関係は、自分たちが六年かけて築き上げてきたものだ。それ以外の、なにものでもない。
アルファだから、だとか。オメガだから、だとか。そういったことがまったく関係がないとは言わないけれど、それだけでもない。絶対に、ない。
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