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パーフェクト・ワールド・エンドⅣ 0-6

「あぁ、……うん。ごめん」 「でも、よっちゃんになに言っても、あの子、俺が榛名ちゃんの肩持ってフォローしてるって取るから、どうにもならないんだよ。けっこう、本当によっちゃんのこと心配してるんだけどな。なんか、いっぱいいっぱいそうだから」 「まぁ、でも、それも、本人が解決しないとしかたないんじゃない? だって、なにも言ってくれないんでしょ」  気にならないわけではないが、そうするほかない。榛名についても同じだ。なにか相談されることがあればもちろん親身に聞くつもりでいるが、自分が過剰に口を出す問題ではないだろう。  皓太としては、落ち込んでいるらしい荻原を慰める意図もあったのだが、もの言いたげな視線を向けられてしまった。 「高藤はそういうところ、本当に案外冷たいというかあっさりしてるよね。いや、本当、会長の系譜だよ。……あ、悪い意味じゃないからね、これ」 「どこをどう取ったら良い意味になるの、それ」  まぁ、べつにいいのだけれど。でも、まぁ、とも皓太は思う。  ――あの人はあの人で、最近、ちょっと榛名に距離を置いてる感じがするんだよなぁ。

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