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パーフェクト・ワールド・エンドⅣ 0-9
――この学園に入るために、たぶん、いや、絶対、すごい努力をしたんだろうに。
外部から編入するための壁は高い。突破するだけで難関だが、おまけに水城は入試トップの特待生だ。だったら、あとはここでふつうに過ごして、ふつうに卒業して、自由に進路を選べば、それでよかったのではないだろうか。
そうすれば、おそらく、ふつう以上の人生を歩めたはずだ。それでは駄目だったのだろうか。
――それなのに、他人の本性を見ることが楽しい、か。
そんな、皓太からすれば理解のできない理由で、水城はここをめちゃくちゃにしようとしたのだろうか。溜息を呑み込んで、皓太は教室の後方の扉を引いた。
この最近と変わらない、教室の空気。そのことにほんの少しほっとした気分で、おはよう、と声をかけてきたクラスメイトに挨拶を返す。
「高藤、選挙よかったな。おめでとう。まぁ、大変なのはこれからだろうけど」
「あぁ、うん。ありがと……」
「高藤くん」
教室の前方からかかった柔らかな高い声に、視線を向ける。目が合った水城が、いつもの集団から離れて一歩こちらに踏み出した。
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