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パーフェクト・ワールド・エンドⅣ 1-2
「……なんだよ」
「いや」
視線を感じたらしく、じとりと睨まれてしまった。咄嗟に誤魔化そうとしたのも束の間。面倒くさくなって、皓太はそのままを問いかけた。
「最近やたら昼休みここにいるけど、いいの?」
「なにが」
「なにがって、クラス。……いや、ここにいるのが駄目ってわけじゃ、その、ないけど」
ないけど、わざわざいる必要は正直なところ、ないよなぁ、とは思う。逃げ場所として機能しているのだとすれば苦言を呈すつもりはないが。
――でも、こいつ、中等部にいたころも、基本、教室でひとりだったよな、たしか。
それなのに、なにをいまさら、とまでは思っていないつもりだったのだが、伝わったらしい。素直にむすりと表情を歪めた榛名が、ばさりと音を立てて書類を片づけ始めた。わかりやすく、あてつけがましい。
「ちょっと、榛名」
「べつに。ちょっと時間空いたから放課後にやる代わりにやろうかなって思っただけだから」
「あぁ、……うん」
「それで、それも切りがついたから」
だから、戻るだけなので、なんの他意もないんですよ、と。表情友行動とも声のトーンともまったく裏腹なことを口にされて、うん、と同じ相槌を皓太は繰り返した。
元の場所に書類を戻して机の上をきれいに整えるなり、榛名が立ち上がる。
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