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パーフェクト・ワールド・エンドⅣ 1-4
榛名ちゃんの取り扱いは高藤の担当じゃないの、と言われても、それで正解をすぐに叩き出すことができていたら、こんな苦労はしていない。
「あ、でも、高藤も、気、遣うの上手そうで案外下手だよね。とくに榛名ちゃんに対して。気を遣おうとして、いや、やっぱやめようって思い留まって、結果、ものすごく中途半端な悪手になってるって感じ」
「……放っておいてくれる?」
「べつに聞かれなかったら放っておくけど。……あ、榛名ちゃんがかわいそうじゃない範囲ならね。でも、そっか。なんでもできる高藤みたいな人間でも、そうなるんだから、本気って怖いよね」
放っておいてくれる、ともう一度言うことはできず、曖昧な笑みで切り返す。「ものすごく中途半端な悪手」という評価については言い得て妙だなと思ってしまったものの、「本気」というほうは頷きづらかったからだ。
――まぁ、でも、「そういうふう」を選んだのは、俺だしなぁ。
ここを卒業するまでのあいだ、形式上はつがいでいるということ。その選択をしたのは、そのほうが榛名にとっていいだろうと思ったからで、今もそう思っている。
余計な世話であろうとも、自分にとって不利益はなにもなかったし、本当にかまわなかったのだ。好きな相手がいるというのなら話は別だっただろうけれど、自分にはそういう相手はいなかったので。むしろ、告白をされてお断りをするという精神的な苦行が減ってありがたいくらいに思っていたのだが。
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