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パーフェクト・ワールド・エンドⅣ 1-11
ちょうど寮に戻る道中で考えていたことでもあった。
そのまま茅野と別れて、寮の中に入る。部屋に向かう途中、談話室の前を通ったが、滞在している数人の同級生の輪に、四谷の姿はなかった。
自分と時間が合わなくなっただけだと考えていたかったのだが、たしかに最近はほとんどここで顔を見ていなかったかもしれない。
――ありがたいけど、荻原ばっかりに任せるのもよくないんだろうな、本当。
今までは、たぶん、本当に、三年生に手厚いくらいにフォローしてもらっていた。選挙に出るという話をしたとき、そういうこともできるようにならないといけない、ということを諭されはしたけれど、そのあとも、ずっと。
――でも、だから、脱却しないといけないんだよな、口先だけじゃなくて。
自分が今座っている場所が、彼らに用意され与えられたものであったとしても、座ることを決めた以上は、自分の力で自分の場所にしていかないといけない。
そう認めてもらうことができるように、していかないといけない。
……わかっていたつもりのことだけど、難しいな。
経験も年齢も違うと言ってしまえばそれまでではあるけれど、今の自分が、あの人たちとまったく同じことをできるとは、皓太には到底思うことができなかった。
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